欧州委員会は27日、航空同盟「スカイチーム」加盟各社による大西洋横断路線の共同事業の取り決めが欧州連合(EU)の競争法に抵触する疑いがあるとして、調査を始めたと発表した。
対象となるのはエールフランス、KLMオランダ航空、伊アリタリア航空、米デルタ航空。これら4社は大西洋路線で運航スケジュールや座席供給数、価格設定などを共同で管理し、収益を分配する方針を示している。欧州委は、この共同事業がEU諸国と北米を結ぶ路線の利用客に対し、不利益をもたらさないかどうか調査するとしている。
一方、欧州委はスカイチームに加盟する8社の共同事業に競争上の懸念があるとして、これまで調査を行ってきたが、今回これを終了することを併せて発表した。
大西洋路線の共同事業では、「ワンワールド」に加盟する英ブリティッシュ・エアウェイズ(BA)とスペインのイベリア航空、米アメリカン航空の3社のほか、「スターアライアンス」の独ルフトハンザ航空、米ユナイテッド航空(合併したコンチネンタル航空を含む)、エアカナダの3社がそれぞれ共同事業を展開している。欧州委は今回、スカイチーム4社に対し、これまで2つの航空同盟に行ってきたのと同様の調査方法を取る方針を示した。いずれの航空同盟も共同事業に関し、欧州委と米競争当局から認可を得ている。
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