ドイツ政府は13日、新型コロナウイルス対策の規制措置を実施する権限を強化する法案を閣議決定した。州政府に任せていた実施権限を連邦政府に集中させ、新規感染者が増加している地域に対して「緊急ブレーキ措置」を徹底させる狙い。
これまで規制措置を巡っては連邦政府と州政府が協議し、実施は各州政府の判断に委ねられていたため、各州は連邦政府と合意した規制を実施しない場合があった。特に最近では、10万人当たりの新規感染者数が100人を超える地域では規制緩和を撤回するという合意を実行しない州があり問題となっていた。
法案では、3日連続で直近1週間の人口10万人当たりの感染者数が100人を超えた地域では、午後9時から翌午前5時までの夜間外出禁止、生活必需品以外を扱う店舗の閉鎖、個人的な集まりを2世帯の最大5人に制限することなどを導入することを定める。この法案は、連邦議会(下院)と連邦参議院(上院)の承認が必要となる。
メルケル首相は「集中治療室(ICU)の全病床が埋まるまで待っていては手遅れとなる」と危機感を示した一方、国内でワクチン接種が進んでいることから「トンネルの先の光に向けてこれまでよりも大きく歩んでいる」と強調した。ただ一部の州政府からは、今回の法案が連邦政府と州政府の権限を定めるドイツの憲法である基本法に違反するとの批判も出ている。
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