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EU域内、感染流行の第1波で600万人失職

新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)の第1波で、欧州連合(EU)域内の労働者600万人近くが失職した――。中でも非正規社員や女性、若年層の雇用に大きな影響が及んだ。EU域内の労働条件の改善を目指す財団ユーロファウンドによる最新の調査で明らかになった。

それによると、EU加盟27カ国の失業率は19年第4四半期(10~12月)の6.6%から、20年第2四半期(4~6月)に6.7%に上昇。この間に、被雇用者数は570万人減少した。なお、パンデミック前は労働市場が拡大しており、これを踏まえた従来予想と比べると、630万人の落ち込みとなる。

また、同期間は新型コロナウイルス感染防止策の一環で各地で封鎖措置が導入されたことなどを背景に、一時帰休の対象者が増加。20年第2四半期に休職となった被雇用者の割合は全体の17%と、19年第4四半期から2倍以上に膨らんだ。この間は求人数も大幅に減少し、失業者の増加よりも労働参加率の低下が目立った。

2008~09年の欧州債務危機と比べると、債務危機では製造や建設など男性の就労者が主力となる業種が打撃を受けたのに対し、パンデミックでは外食産業や観光業など女性や若年層の就労者が多い業種への打撃が大きい。また、欧州債務危機では主に中間所得層に、パンデミックでは低所得層にマイナス影響が及んだ。

なお、EUでは加盟18カ国の政府が、企業が労働時間を短縮した場合、賃金の支払いを支援する措置を導入。EUは「失業リスク緩和のための緊急支援(Support to Mitigate Unemployment Risks in an Emergency、SURE)」制度を通して、こうした政府による賃金補償を支援している。昨年春の流行第1波では、域内の労働者全体のおよそ20%が同措置の恩恵を受けた。[労務]


関連国・地域: EU
関連業種: マクロ・統計・その他経済雇用・労務社会・事件

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