ジョンソン英首相は8日、イングランドで新型コロナウイルス対策として導入するロックダウン(都市封鎖)の段階的解除に向けたロードマップを公表した。3月8日から学校を再開するほか、屋外で異世帯の2人が運動以外の目的で会うことが許される。
ロックダウンは、4段階に分けて徐々に緩和する。各段階とも最低5週間は継続し、感染状況への影響を見極めてから次の段階に進む。各段階の緩和に当たっては、◇ワクチン展開の順調な進展◇ワクチン効果による入院患者数や死者数の減少◇国民医療制度(NHS)病院への圧力の緩和◇新型コロナウイルスの新たな変異株によるリスクの変化がないこと――の4項目を満たすことが条件となる。
第1段階は3月8日からで、すべての学校を再開するほか、屋外で異世帯の2人が運動以外の目的で会うことが許される。ケアホームの入居者は、特定の1人の訪問を受けることができるようになる。3月29日には、最大6人・2世帯を上限に自宅の庭を含む屋外での集まりを認めるほか、テニスやバスケットボールなど屋外でのスポーツも許可される。
第2段階は4月12日以降で、衣料品店など生活必需品以外を扱う小売店や理容・美容店、スポーツジム、遊園地などの営業が認められる。飲食店の屋外席も再開される。夜間営業やアルコール提供に関する規制はしない。
第3段階は、5月17日以降。屋外では30人を上限に集まれるようになるほか、屋内でも最大6人・2世帯を上限に交流できるようになる。飲食店の屋内席や、映画館、劇場、ホテル・民宿などの営業も認められる。スポーツ競技場も定員を制限した上で再開できる。
第4段階は6月21日以降。異世帯間の交流人数の規制は撤廃され、結婚式や葬儀も開催できるようになる。新型コロナウイルス検査の活用により、最初のロックダウン導入以降、営業再開が認められてこなかったナイトクラブなどの営業再開が認められる可能性もあるとしている。
マスク着用や人と人の安全な距離の確保のルール、在宅勤務の奨励は継続するが、ゆくゆくは見直すとしている。また、海外渡航規制は4月12日までに見直す。ワクチン接種や感染歴などの証明書の導入や、大型イベントの再開についても今後の検討課題とする。
政府は、4月15日までに50歳以上と基礎疾患のある国民全員にワクチン接種の機会を提供し、7月末までに成人全員のワクチン接種を終えることを目指すとしている。また、6月末まですべての職場に迅速検査を無料提供する。
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