フランスの自動車大手ルノーは19日、2020年12月期の純損失が80億800万ユーロとなり、前期の1億4,100万ユーロから赤字が拡大したと発表した。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)による自動車需要の落ち込みが響き、過去最大の赤字を計上した。
売上高は21.7%減の434億7,400万ユーロ。うち主力の自動車部門(アフトバスを除く)は377億3,600万ユーロと23%減少した。ルノー・日産自動車連合が共同出資する露アフトバス(AvtoVAZ)は17.5%、金融サービス部門は7.8%それぞれ縮小している。
営業損失は3億3,700万ユーロで、前年の26億6,200万ユーロの黒字からこちらも赤字に転落。自動車部門は14億5,000万ユーロの赤字だった。グループの営業利益率はマイナス0.8%と、1年前から5.6ポイント悪化している。なお日産の業績悪化により、49億7,000万ユーロの損失を計上した。
ルノーの昨年の世界販売台数(小型商用車含む)は前年比21.3%減の294万9,849台。うち足元の欧州が144万3,917台と25.8%減少した。米大陸は38.6%、アフリカ・中東・インドは23.3%それぞれ落ち込んでいる。中国は13.3%縮小し、ユーラシアは0.7%減っている。
ルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)は今年について「新型コロナウイルスや半導体部品の供給不足に関して先行き不透明なことから、困難な年が続く」とコメントしている。
ルノーは今回、先に公表した新事業戦略「ルノーリューション(Renaulution)」の23年までの目標を維持すると発表。同年までにグループの営業利益率を3%以上に引き上げるほか、自動車部門のフリーキャッシュフローを約30億ユーロとし、設備投資や研究開発(R&D)投資が収入に占める比率を8%前後に引き下げるとしている。
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