欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットは16日、2020年第4四半期(10~12月)のユーロ圏19カ国の実質域内総生産(GDP、2次速報値)が前期比0.6%縮小したと発表した。1次速報値から0.1ポイント上方修正されたものの、第3四半期の12.4%増からマイナスに転落。主要国のうちドイツとスペインが共にプラス成長を確保した半面、フランスとイタリアはマイナス成長となった。
国別の成長率を見ると、ドイツは0.1%と、第2四半期の8.5%から減速。ロックダウン(都市封鎖)再導入などで特に家計最終消費支出が大きな打撃を受けたものの、輸出や、建設業界への投資などが経済を下支えした。
フランスの成長率はマイナス1.3%と、前期の18.5%増からマイナスに転落。イタリアは2%縮小し、第3四半期の16%増からこちらもマイナス成長に転じた。オランダも前期の7.8%増から0.1%減へと沈んだ。スペインは0.4%のプラスを確保したが、第3四半期の16.4%から伸びが減速している。
ユーロ圏のGDPは、前年同期比では5%縮小。こちらも1次速報値から0.1ポイント上方修正されているが、マイナス幅は第3四半期の4.3%減から拡大している。EU27カ国全体では前期比で0.4%、年率では4.8%それぞれ落ち込んだ。
欧州委員会は先に発表した冬季経済見通しの中で、今年のユーロ圏の実質域内総生産(GDP)が前年比3.8%拡大するとの見通しを示した。前回11月の秋季見通しでは4.2%と予測していたが、新型コロナウイルスの再拡大や変異株の出現により各国が再び厳しい封じ込め策を導入していることから、これを引き下げた。
ユーロ圏の第4四半期GDPの改定値は3月9日に発表される予定。
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