イタリア首都ローマの大統領府で13日、ドラギ新政権の就任宣誓式が行われた。ドラギ新首相は式典終了後に、初の閣僚会議を招集。気候変動対策を政策の中核に据え、特別省を設立する方針を示した。再生可能エネルギーへの移行を促進するとともに、欧州連合(EU)の補助金を最大限に活用する狙いとみられている。
ドラギ首相は、新たにエコロジー移行省を設置し、トップに物理学者のロベルト・チンゴラーニ氏(59)を指名。これまで複数の省庁が分担していたエネルギー関連の問題を一括して引き受け、環境問題の一部として扱う。同氏はイタリアの航空・防衛大手レオナルドの最高技術革新責任者(CTIO)や超高級スポーツカーメーカー、フェラーリの取締役を務める。イタリアとドイツ、日本、米国のトップクラスの科学研究機関で勤務した経歴を持ち、専門はロボティクス、人工知能(AI)、デジタル・ヒューマニティーズ。
同氏の指名は、EUの復興基金の利用に当たり専門家を起用して適切なテクノロジーを選択し、長期的な発展を目指すというドラギ新首相の決意の表れとみられている。また、エコロジー移行省の設置が環境問題にも注目する左派政党「五つ星運動」の協力を取り付ける上で一役買ったとされる。
首相に就任したドラギ氏の最初の任務の一つは、イタリアの復興計画を策定し直し、4月までに欧州委員会に提出すること。EUとの取り決めでは、資金のうち37%を低炭素経済への移行に充てるよう定められている。[環境ニュース]
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