欧州における2020年の洋上風力発電施設の新規設置に向けた投資額が263億ユーロとなり、過去最高を記録した。投資対象の設備容量を合わせると7.1ギガワットで、向こう数年以内の稼働を見込む。業界団体ウインドヨーロッパ(旧:欧州風力エネルギー協会)が、8日公表した最新報告書で明らかにした。
欧州では新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)に見舞われる中でも、洋上風力発電投資の勢いが持続。ウインドヨーロッパのジルス・ディクソン最高経営責任者(CEO)は「洋上風力発電に対する信頼感の表れ」と説明。投資家は洋上風力発電が安価で信頼性と逆境における反発力が高いとみており、政府も投資を望んでいると述べた。
ウィンドヨーロッパの試算では、風力タービン新設に伴う経済効果は1基当たり1,500万ユーロに上る。欧州では現在、推定7万7,000人が洋上風力発電絡みの業務に従事しているが、30年までにこの数は20万人に膨らむとの見通しを明らかにした。
一方、欧州では昨年、新たに9カ所の洋上風力発電施設が稼働を開始した。新設容量は合わせて2.9ギガワットで、欧州の累積設置容量は25ギガワットに達した。欧州では現在、12カ国で116カ所の風力発電施設が稼働している。
なお、欧州連合(EU)は域内の洋上風力発電の設置容量を30年までに60ギガワット、50年までに300ギガワットにそれぞれ引き上げる目標を掲げている。最近はフランスやポーランド、バルト諸国、ギリシャなどの新規参入国が洋上風力発電投資を加速させている。[環境ニュース]
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