欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットは2日、2020年第4四半期(10~12月)のユーロ圏19カ国の実質域内総生産(GDP、1次速報値)が前期比0.7%縮小したと発表した。新型コロナウイルスの感染再拡大が打撃となり、第3四半期の12.4%増からマイナスに転落。主要国のうちドイツとスペインが共にプラス成長を確保した半面、イタリアとフランスはマイナス成長となった。
ユーロ圏のGDPは、前年同期比では5.1%縮小。EU27カ国全体では前期比で0.5%、年率では4.8%それぞれ落ち込んだ。
この日までに速報値を発表した主要国のうち、ドイツは前期のプラス8.5%から0.1%に減速。年率では3.9%縮小した。
フランスは前期比1.3%減少し、第3四半期の18.5%増からマイナスに転じた。年率ではマイナス5%となっている。
イタリアの成長率はマイナス2%と、前期のプラス16%からこちらもマイナスに転落。年率では6.6%縮小した。
スペインの成長率は前期比0.4%と、伸びは第3四半期から16ポイント縮小したが、プラスを維持。投資を示す総固定資本形成は6.2%減と、前期の20.4%増からマイナスに転じた。家計最終消費支出は2.5%増加。輸入が0.4%増えた一方、輸出は1.4%減少した。GDPは年率で9.1%縮小している。
国際通貨基金(IMF)は1月の世界経済見通しで、ユーロ圏19カ国の21年の域内総生産(GDP)が前年比4.2%拡大するとの見方を示した。昨年10月時点の前回予測から1ポイント下方修正。財政・金融政策による大規模な経済支援や新型コロナウイルスワクチン接種の展開を背景に改善するものの、危機前の水準への回復には時間がかかるとしている。来年の成長率は3.6%を予想する。
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