ドイツのメルケル首相は1日、新型コロナウイルスのワクチンについて、9月末までに全国民分を確保することが可能との考えを再度示した。同国ではワクチン接種のスピードが遅すぎるという批判が政府に向けられており、不満を和らげる狙い。
メルケル首相はこの日、ワクチン接種プログラムの改善に向けて、州政府の首相やワクチン製造業者などとビデオ会議を実施。同首相は、ドイツが四半期ごとにワクチンを受領し、十分な在庫を確保できる確約を得たとした上で「第3四半期(7~9月)の終わりまでには全ての成人にワクチン接種の機会を提供できる」と改めて主張した。
同首相はさらに、独バイオ医薬品会社キュアバック(CureVac)や米製薬大手ジョンソン・エンド・ジョンソン(J&J)が開発したワクチンが欧州連合(EU)で承認されなかった場合でも、今回の確約は適用されると語った。
なお、現在までに欧州委員会が使用を承認しているワクチンは16歳以上もしくは18歳以上が対象となっており、子どもが接種可能なワクチンはない。
同国でのワクチン接種のスピードが遅れていることについては、米国に比べると限られた生産能力しか有していないことや、欧州連合(EU)が責任問題の交渉に時間を要したことを理由として挙げたものの、緊急承認しなかったことについてはこれを擁護した。
メルケル首相は一方で「ワクチンが効かない変異株が発生した場合は、最初からやり直す必要がある」として警戒を呼び掛けている。
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