イタリアのコンテ首相は26日開いた閣議で、辞任の意向を伝えた。連立政権は先に、レンツィ元首相率いる新党「イタリア・ビバ」の離脱によって上院での過半数議席を失っており、コンテ首相は新政権の樹立を目指すとみられている。新型コロナウイルスの流行と深刻な景気後退への対応を迫られる中、イタリアの政局は混迷を極めている。ANSA通信などが伝えた。
コンテ首相は同日中にマッタレッラ大統領に辞表を提出した。同大統領が改めてコンテ氏を首相に任命し、新内閣の組閣権限を与えれば、コンテ氏は現在の少数政権に代わる新たな多数派政権の樹立を模索する。組閣に失敗すれば首相交代。それでも政権が樹立できない場合は解散総選挙となる。
解散総選挙になれば、ベルルスコーニ元首相が率いる「フォルツァ・イタリア」とサルビーニ前内相率いる「同盟」による右派連合の勝利が有力視されている。そのため、連立政権を構成する反体制派の「五つ星運動」と中道左派・民主党、左派政党「自由と平等」(LEU)はいずれも、コンテ新政権樹立を支持する姿勢を示している。
コンテ首相を巡っては先に、代議院(下院、定数630)と元老院(上院、定数315)で信任投票が行われ、いずれも賛成多数となり政権崩壊を免れていた。
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