新型コロナウイルスの感染急拡大を受け、イングランド全域で5日、3度目のロックダウン(都市封鎖)が導入された。最初にロックダウンが実施された3月と同様、自宅で仕事ができない場合の出勤や運動、生活必需品の買い物以外を理由とする不要不急の外出を制限するほか、学校も再び登校中止とする。感染状況を踏まえた上で2月15日に見直しを行うが、厳しい外出制限が最低6週間は続く格好だ。
今回は他に、飲食店の持ち帰りサービスが食事と非アルコール飲料に限定され、酒類は禁止となる。ガーデンセンターと生活必需品の店舗は引き続き営業可能だが、娯楽施設や動物園、ジムなどの運動施設は閉鎖される。公園の遊び場は引き続き使用できる。宗教施設での礼拝は可能だが、同居人以外との訪問は禁止される。学校は遠隔での授業を再度実施する。
英政府は今回の判断について、ウイルスの変異種により感染スピードが加速していると改めて強調。新型コロナウイルス感染症の入院患者数は4日時点で2万6,626人に上り、前の週から30%拡大した上、昨年4月の初期ピーク時と比べると40%以上に達しているという。また、新たな規制が導入されなければ、国民医療制度(NHS)の対応能力は21日以内に限界を迎える可能性が指摘されていた。
英国では一方で、ワクチン接種が進んでおり、英政府は次回見直し時期の2月中旬までに高齢者施設の入居者や職員、70歳以上の国民、新型コロナ患者対応の医療従事者、感染時の重症化リスクが高い人々への接種が完了すると見込んでいる。
英政府は先に、イングランドで警戒レベルの最高水準である「自宅待機(ティア4)」の対象地域を拡大。イングランドの総人口の4分の3がティア4域内で生活していた。なお、英国の過去24時間の新規感染者数は4日時点で5万8,784人を記録し、新規死者数は407人に上っている。
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