欧州委員会は2日、新型コロナウイルス対策の冬季戦略を公表した。欧州連合(EU)加盟各国の封鎖措置や渡航規制、検査、接触追跡、ワクチン接種の展開などについて指針を示している。
封鎖措置については、クリスマス休暇に向け一時的な緩和を検討する加盟国が相次ぐ中、「社会的な集まりやイベントの規制緩和を検討する場合には、厳しい条件を課すとともに、規制緩和前後に最低7日間の自主隔離を義務付けるべき」としている。
一方、加盟各国間の渡航規制については、「全加盟国で感染が拡大している中、域内の国境を越えた旅行が大幅に感染リスクを増大させることはない」と指摘。航空旅客に対する自主隔離や検査の義務付けについては、「感染率がほぼゼロに下がった場合」には有効だが、「同様の感染状況の地域間では推奨しない」としている。
加盟各国での検査については、PCR検査の結果を24時間以内に判定する体制を整えるよう促している。検査キットが不足したり、結果判定にかかる時間が長期化している場合には、迅速に結果が出る抗原検査を導入することも容認する一方、抗原検査について独立機関による有効性の試験や、加盟国間での検査結果の相互承認を進めることも促している。
ワクチンについては、国内での展開戦略について欧州委に報告を寄せている加盟国の大半が、無料で接種を行う方針で、遠隔地も含め全国民にワクチンが行き届くワクチン接種センターの設置を検討している国もあるとしている。欧州委は各国に対し、国内のワクチン戦略の策定を引き続き進め、欧州疾病予防管理センター(ECDC)に報告するよう要請。また、ワクチンを巡る誤情報の撲滅に向け、加盟各国と国際機関やオンライン・プラットフォームが協調して取り組む必要性を指摘している。
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