英イングランドで各地域の新型コロナウイルスの警戒レベルに応じた段階的な封鎖制度を再導入する場合、規制を厳格化する必要がある――。政府の科学顧問が16日の記者会見で、こうした考えを明らかにした。従来の3段階の封鎖制度では冬は乗り切れないとの見方を示している。
英政府は11月5日にイングランドで、それまで実施されていた3段階の封鎖制度に代わり2度目のロックダウン(都市封鎖)を開始。パブやレストランの店内飲食サービスや生活必需品以外を扱う小売店の営業が禁止され、世帯間交流もほぼ禁止されている。政府はこの措置の期限を12月2日までとしているが、その後の方針は明らかにされていない。
ハンコック保健・社会福祉相はこの日の記者会見で「2度目のロックダウンの効果はまだデータに表れていない」とした上で、「全国的なロックダウンから地域的な封鎖制度に何としても切り替えたい」と話した。
ただ、政府の科学顧問を務めるイングランド公衆衛生局(PHE)のスーザン・ホプキンス博士は、従来の3段階の封鎖制度について「効果はまちまちだった」と指摘。「最も規制が厳しいティア3はイングランド北西部で感染者を減らしたものの、ティア2の効果は各地の順守状況によって異なり、ティア1ではほとんど効果がなかった」と話した。
同博士は「今後に段階的封鎖制度を導入する場合、冬が終わりワクチンが普及するまでは規制を厳格化する必要がある」としている。
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