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ヴェオリアがスエズ株取得 エンジーと合意、完全買収へ一歩

フランスの水道・廃棄物処理大手ヴェオリア・エンバイロメントは5日、公益事業大手エンジーが保有する同業スエズの株式29.9%を取得することでエンジーと合意したと発表した。ヴェオリアは先に、買収提示額を29億ユーロから34億ユーロに引き上げ、筆頭株主であるエンジーの取締役会はこの提案を受け入れた。今後は完全買収に向けて、スエズ自身を説得できるかが焦点となる。

ヴェオリアは、スエズ株1株当たり18ユーロを支払う。これはエンジーがスエズ株放出の意向を示した7月31日の前日終値に75%のプレミアムを上乗せした水準。エンジーの税引き前の株式譲渡益は18億ユーロに上る見通し。

エンジーのジャンピエール・クラマデュ最高経営責任者(CEO)は「(スエズ株の売却により)エンジーは事業ポートフォリオを明確にし、再生可能エネルギーとインフラへの投資キャパシティーを拡大できる」としている。

ヴェオリアは、残りのスエズ株についても今回の取引と同条件の1株当たり18ユーロを支払う意向を表明。スエズが保有資産を売却するなど企業価値に影響がある場合は、提示額を変更する権利を保留している。また、スエズのフランス国内での雇用を保障するとしているが、スエズはかねて、完全買収計画を「非常に敵対的」として反発。先には、買収阻止に向け水道事業資産をオランダの財団に移すと発表したほか、従業員代表による企業委員会もヴェオリアから事前に相談がなかったとして同社を提訴している。

こうした事態を受けて、エンジーの株式22%を保有するフランス政府は「合意がなければ取引は成功しない」として、両社に協議の場を持つことを促している。政府は、今回のスエズ株売却には反対票を投じた。[M&A]


関連国・地域: フランス
関連業種: 金融電力・ガス・水道

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