フランス政府は4日、パリと周辺都市の新型コロナウイルスの警戒レベルを5段階中4段階目の「警戒最大化」に引き上げた。これに伴い、6日から2週間にわたり、全てのバーが閉鎖されるほか、レストランでは新たな感染防止策を講じる必要がある。
保健省は9月、感染が深刻な地域を示す「危険地域マップ」を公開。政府が定めた三つの基準に沿って、警戒レベルを5段階に分けている。首相官邸は4日、パリと周辺3県を「最高」に分類。これら地域ではバーに加え、ジムやプールの営業が全面禁止となる。一方、レストランなどは、午後10時の閉店や来店客の連絡先を控えること、さらなる感染防止対策などを条件に、営業が認められる。
また、屋外の公共スペースでの集会人数の上限が10人までとなるほか、大学の講義室の収容率は半分以下に制限される。政府はさらに、在宅勤務をこれまで以上に優先するよう呼び掛けている。
カステックス首相は、週末にかけてパリの感染状況に改善が見られなかったと説明。「警戒最大化」に分類される全ての基準に当てはまっているとした。
「警戒最大化」に分類されている南部マルセイユでは9月末から、全てのバーとレストラン、衛生対策を講じていない公共施設が閉鎖されている。地元住民からは、こうした一連の制限策に対する抗議の声が上がっている。
政府はかねて、ウイルスの封じ込めに苦戦している。8月末からは若者を中心に感染が再流行しており、新規感染者数は4日、検査件数を拡大して以来で最多の1万6,972人を記録。だが、政府は全国的な封鎖措置の導入には消極的だ。
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