フランスの自動車大手ルノーは3日、ブランドを軸とした組織再編計画を発表した。主力の「ルノー」とルーマニア子会社「ダチア」、スポーツカーブランド「アルピーヌ」、「ニュー・モビリティー」の4事業部門に再編し、各部門の自律性を高める。
ルノーのトップには、ルカ・デメオ最高経営責任者(CEO)自らが就任。ダチアは販売を統括するデニス・ルボット執行副社長が、アルピーヌはスポーツレーシング部門トップのシリル・アビテブール氏が、それぞれ率いるほか、ニュー・モビリティーのトップにはクロチルド・デルボス最高財務責任者(CFO)が立つ。
ルノーは、4事業部門制を試験的に実施し、組織再編計画が十分に完成された段階で従業員に公表するとしている。
デメオCEOは、「販売台数の追求から価値と利益率の追求へと移行する必要がある」と説明。今回の組織再編により「事業を簡素化し、市場および顧客志向を強め、チーム精神を高めて最大限の業績を追求できる」とした上で、「これはルノーの回復に欠かせない措置だ」と話している。
ルノーは上半期(1~6月)の純損失が73億8,600万ユーロとなり、前年同期の10億4,800万ユーロの黒字から赤字に転落。新型コロナウイルスの影響や連合を組む日産自動車の業績不振を背景に、上半期としては過去最大の赤字に陥った。同社は6月、向こう3年間で総額20億ユーロの固定費を削減する計画を打ち出し、その一環として約1万4,600人を整理すると発表している。
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