フランスのカステックス首相は3日、総額1,000億ユーロの経済刺激策を発表した。新型コロナウイルスの影響で打撃を受けた経済の立て直しに向け、200億ユーロ規模の法人税減税を行うほか、総額300億ユーロをエネルギー転換支援に充てる。これにより、来年には16万人の雇用を創出できると見込む。
「フランスの再起動」と銘打つこの経済刺激策は、向こう2年にわたって実施され、3本の柱から成る。1つは低炭素経済で、省エネ改築、運輸、農業、エネルギーを優先分野として計300億ユーロをその支援に充てる。2つ目は競争力の向上で、計350億ユーロを投じる。このうちうち150億ユーロを中小企業支援に充てるほか、生産税減税を実施する。減税規模は向こう2年で200億ユーロとなる見通し。3つ目の柱は格差是正で、雇用対策や医療システム支援に350億ユーロを投じる。
財源については、600億ユーロを国庫とフランス公的投資銀行(Bpifrance)から拠出し、残りは欧州連合(EU)の資金で賄う。EUは総額7,500億ユーロの経済復興計画で合意しており、その目玉となる総額5,600億ユーロの「復興・回復ファシリティー」を通じて加盟各国の復興計画を支援する予定。
カステックス首相によると、経済刺激策の規模は国内総生産(GDP)比で4%と、欧州の他の主要国を上回る。同首相は、「2022年までに危機前の経済水準を取り戻すためには、この規模の資金が必要」としている。
フランスのGDPは第2四半期(4~6月)に前年同期比13.8%落ち込んでおり、通年では11%の減少が見込まれている。
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