ドイツのルフトハンザ航空は19日、短期コスト削減策を巡りパイロット労働組合のコックピット労働組合(VC)と合意したと発表した。パイロット側が給与などの引き下げに応じる見返りに、ルフトハンザは人員削減を来年第2四半期(4~6月)まで見送る。同社は新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)を受け、運航便数を大幅に削減したことから、第2四半期に過去最悪の赤字を計上している。
今回合意したコスト削減策は9月から年末まで実施される。対象となるのは、ルフトハンザ航空と貨物部門ルフトハンザ・カーゴ、訓練部門ルフトハンザ・アビエーション・トレーニングのほか、ジャーマンウイングスの一部のパイロット。パイロット側は、時短勤務賃金補償と年金積立における会社負担分を引き下げることを受け入れた。また、先に合意していた賃上げ案の実施は来年1月まで延期となる。一方、経営側は来年第2四半期まで人員削減を行わない。
VCは短期コスト削減策に合意したことで、経営側と長期的な合意に向けた模索を続ける時間ができたとしている。
ルフトハンザは第2四半期(4~6月)のEBIT(利払い・税引き前利益、特別損益除く)ベースの損失が16億7,900万ユーロとなり、前年同期の7億5,400万ユーロの黒字から過去最大の赤字に転落。7月には、組織再編の一環として2023年までにグループ全体で管理職を20%削減するほか、事務職を1,000人整理する方針を明らかにしている。[労務]
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