欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットは19日、7月のユーロ圏19カ国の消費者物価指数(CPI、改定値)が前年同月比0.4%上昇したと発表した。速報値から変化がなく、伸びは6月から0.1ポイント加速。依然として、欧州中央銀行(ECB)が定める2%のインフレ目標を下回っている。
7月は食品・アルコール飲料・たばこが2%値上がりし、前月の3.2%から伸びが減速した。エネルギーを除く工業製品は1.6%、サービスは0.9%それぞれ拡大している。半面、エネルギーは8.4%低下した。
ユーロ圏19カ国のうちインフレ率が最も高かったのはスロバキアとオーストリア(共に1.8%)で、これにベルギー(1.7%)、オランダ(1.6%)が続いた。ユーロ圏最大の経済規模を誇るドイツはゼロ%だった。最も低いのはギリシャでマイナス2.1%となっている。
消費者物価指数はEU27カ国全体では0.9%上昇し、前月からこちらも0.1ポイント加速。前月比で見ると、ユーロ圏は0.4%、EUは0.2%それぞれ低下した。
ECBは7月の政策理事会で、ユーロ圏の市場介入金利(最重要の政策金利)を過去最低のゼロ%に据え置くことを決めた。インフレ率については、同行の目標である2%に向けて持続的に上昇するため、必要に応じてあらゆる手段を講じる用意があることを改めて示した。インフレ率の見通しは先に、今年は0.3%にとどまり、来年が0.8%、2022年が1.3%となると予想している。
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