仏製薬大手サノフィは17日、米バイオ医薬品会社プリンシピア・バイオファーマの買収で合意したと発表した。自己免疫やアレルギー疾患向け治療薬などの研究開発(R&D)能力を強化する。取引額は約36億8,000万ドル。
サノフィは、プリンシピア株1株当たり100ドルを全額現金で支払う。これは前日終値に10%のプレミアムを上乗せした水準。取引は年内の完了を見込む。
昨年6月に就任したサノフィのポール・ハドソン最高経営責任者(CEO)はかねて、がんや希少疾病向けの治療薬開発に注力する戦略を掲げており、今回のプリンシピア買収はその一環。取引を通じ、自己免疫疾患の治療に役立つ可能性を有するブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害剤の供給ルートを獲得する。
両社は2017年からライセンス契約を締結。これらの経口薬の開発に向けて、サノフィはプリンシピアに前金4,000万ドルを支払っており、治療薬が販売にこぎ着けた場合は最大7億6,500万ドルを支払う予定だったが、買収に成功すればこの支払い額を節約できる。
サノフィは今年6月、BTK阻害剤「168」の効能を証明するため、第3相臨床試験の治験者登録を開始。24年の承認申請を目指している。[M&A]
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