欧州連合(EU)で上半期(1~6月)、再生可能エネルギー由来の発電量が初めて化石燃料を上回った。英シンクタンクのエンバー(Ember)が22日公表した報告書で、このような結果が明らかになった。
報告書によると、風力や太陽光、水力、バイオエネルギーを含む再生可能エネルギー由来の発電量は、上半期にEU加盟27カ国全体の40%を占めた。一方、化石燃料の割合は34%だった。
再生可能エネルギー由来の発電量は、主に風力発電所や太陽光発電所の新設が追い風となり、前年同期比11%増加。風力・太陽光の発電量はEU全体の21%を占め、過去最高を記録した。うちデンマークでは64%を占め、アイルランドは49%、ドイツは42%と高い水準を示した。
半面、化石燃料の発電量は18%減少。再生可能エネルギー由来の発電増加や、新型コロナウイルス感染拡大による電力需要の低迷が影響した。報告書はこの結果、EUの二酸化炭素(CO2)排出量は約23%低下したとしている。
エンバーのアナリスト、デイブ・ジョーンズ氏は今回の結果について「欧州電力部門の移行において歴史的瞬間だ」とコメント。化石燃料発電が再生可能エネルギー由来のおよそ2倍だった9年前から迅速に進歩していると評価した。[環境ニュース]
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