フランスで28日、統一地方選の決戦投票が行われ、マクロン仏大統領が率いる与党・共和国前進(REM)はパリなどの主要都市で惨敗した。パリ市長選は社会党の現職イダルゴ氏が再選。他の都市ではヨーロッパエコロジー・緑の党(EELV)が票を伸ばした。一方、新型コロナウイルス感染への懸念から、投票率は41.6%と前回選挙時を大きく下回った。
パリ市長選では、中道右派・共和党のダチ候補が2位となった。REMのビュザン前保健相は3位と、大きく水をあけられた。EELVは今回、南東部リヨン、東部ストラスブール、南西部ボルドー、南部マルセイユでREMや中道右派政党に勝利。南部ペルピニャン(Perpignan)ではルペン党首率いる極右政党・国民連合の候補が勝った。同党が人口10万人以上の都市で勝利するのは、1995年の南東部トゥーロン以来となる。
北西部ルアーブル(Le Havre)ではフィリップ首相が他党候補に大差を付けて勝利したが、同氏は勝っても市長職を現職に譲る意向を示していた。ただ、同首相はREMの党員ではないため、一部報道によると、マクロン大統領が2022年の大統領選挙を見据えて首相を入れ替える可能性も取り沙汰されている。
新政党のREMは、2017年の大統領選挙後の3年間に地域の支持基盤を築くことに失敗。3月15日の第1回投票では大多数の候補者が決選投票に進むことすらできなかった。
決選投票は当初、3月22日を予定していたが、新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)に伴い延期されていた。今回の選挙も、投票者はマスク着用が義務付けられたほか、ペンを持参する必要があった。投票所のスタッフは感染防止用フェースシールドを着用するなどして対応した。
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