独ルフトハンザ航空は25日、この日の臨時株主総会で、ドイツ政府と合意した最大90億ユーロの支援策が承認を得たと発表した。筆頭株主のハインツヘルマン・ティーレ氏が当初はこの案に難色を示していたため、一時は実現が危ぶまれたが、これにより破綻を免れる格好となる。
支援策は98%の支持を得て可決された。ドイツ政府は同社株20%を引き受けるとともに、取締役会で2席を取得する。同案に対するティーレ氏の支持取り付けに動いていたショルツ財務相は「ルフトハンザとその従業員、ドイツにとって素晴らしいニュース」と喜んだ。
だが、ルフトハンザを取り巻く状況はなお厳しい。同社はこれまでにも、人員削減をする代わりに、勤務時間や賃金を減らして対応してきたが、事業再編計画により、最大2万2,000人の従業員が影響を受けるとみられる。
欧州委員会もこの日、ドイツ政府によるルフトハンザへの資本注入を承認しているが、その条件として、支援の返済が終わるまでは配当の支払いや自社株買い戻し、買収などを禁止した。また、フランクフルトとミュンヘンの空港の発着枠を競合他社に譲り渡すことを義務付けている。
なおルフトハンザは先に、賃金引き上げの見送りや勤務時間の短縮、年金拠出額の上限設定などを含んだ5億ユーロ超のコスト削減策で、客室乗務員労組UFOと合意。26日にはドイツの統一サービス産業労組ヴェルディ(Verdi)と協議したもようだ。[労務][EU規制]
※本コメント機能はFacebook Ireland Limitedによって提供されており、この機能によって生じた損害に対して株式会社NNAは一切の責任を負いません。