ジョンソン英首相は23日、イングランドで7月4日から新型コロナウイルス対策の封鎖措置を大幅に緩和すると発表した。パブやレストラン、映画館、ホテル、理容・美容店などの営業が再開されるほか、2世帯までなら人数の制限なく屋内外で集まれるようになる。併せて、社会的距離も2メートルから1メートルに短縮する。3月23日の封鎖措置の導入以降で最大規模の緩和となる。
飲食店は7月4日から、テーブル席に限り店内サービスを再開できる。ただ、社会的距離の確保に向け、従業員数や顧客の定員が制限されるほか、顧客の連絡先を記録することが求められる。理容・美容店は顔面シールドの着用などを条件に再開できる。映画館や美術館、テーマパーク、図書館などの公共施設、宿泊施設やキャンプ場も再開される。宗教施設での礼拝サービスも可能となり、参列者30人以下なら結婚式も執り行える。また、公園の遊具や屋外ジムの使用も可能となる。
ただし、スポーツジムや屋内コート、ナイトクラブ、屋内遊戯施設、ネイルサロン、プールやスパなどは閉鎖が続く。
社会的距離のルールについては、可能な限り従来通りの2メートルとするが、これが不可能な場合、7月4日以降は感染防止策を講じた上で1メートルに短縮できる。
また、この日からは一度に2世帯までなら屋内で会うことも可能となる。人数制限はなく、「サポート・バブル」と異なり相手の世帯を特定する必要もないが、社会的距離の確保は義務付けられる。
ジョンソン首相は今回の緩和について「わが国は長い冬眠状態から目覚め始め、店舗や通り、家庭に活気がよみがえる」とした上で、今後も慎重さが必要と指摘。「必要であればブレーキをかけ、全国レベルでの制限措置を再導入することも辞さない」と話している。
同首相によると、イングランドで現在、新型コロナウイルスに感染している人は約1,700人に1人と、1カ月前の約400人に1人から大幅に減少。また1日当たりの死者は、過去1週間の平均で130人と、4月14日のピーク時の943人および封鎖緩和計画を発表した5月11日の476人から着実に減っているという。
英政府は5月13日からイングランドで全3段階にわたる封鎖措置の緩和計画に着手。6月15日には必需品以外の小売店の営業再開が認められており、7月4日以降に第3段階の緩和を行うとしていた。また6月19日には、全国の新型コロナウイルス感染リスクがレベル3に引き下げられ、社会的距離ルールの緩和が可能となっていた。
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