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軒並みマイナス成長を予測 欧州各国の中銀、新型コロナ打撃

欧州での新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)と各国政府による一連の封鎖措置の段階的緩和を受け、各国の中銀が今年の経済成長率見通しを相次いで発表した。フランス銀行は9日、2020年の国内総生産(GDP)が前期比で10.3%縮小するとの推計を発表。イタリアやスペイン、オランダ、ベルギーの中銀も軒並みマイナス成長を見込んでいる。

フランス銀行によると、同国経済が回復を始めるのは第3四半期(7~9月)からで、新型コロナ危機以前の水準に回復するのは22年半ばとなる。21年通年のGDP成長率は6.9%、22年は3.9%をそれぞれ予測する。一方で、失業率は21年半ばまでに最大11.5%に悪化し、その後22年末までに9.7%に改善するとみる。同国の第1四半期GDPは5.3%縮小。仏国立統計経済研究所(INSEE)は先に、第2四半期GDPは20%程度縮小すると予想している。

イタリア中銀は、今年の同国経済が9.2%縮小するとの予測を示す。5月時点予測の9%縮小からさらに引き下げたが、来年の成長率予測はプラス4.8%に据え置いている。

スペイン中銀は、今年の同国の経済成長率が最悪のシナリオの場合、マイナス15%に達する可能性を指摘。そのシナリオでは21年は6.9%、22年は4%のプラス成長にそれぞれとどまる見込みだ。一方で、経済の早期回復が実現できた場合は今年のGDP成長率がマイナス9%に、段階的な回復となった場合はマイナス11.6%になると予測している。

オランダ中銀は今年の同国経済が6.4%縮小し、第2次世界大戦後で最大の落ち込みを示すとみる。これは、封鎖措置が向こう数カ月で段階的に解除されるとのシナリオに基づいており、来年は2.9%、22年は2.4%の増加をそれぞれ見越している。

ベルギー中銀は、今年の同国のGDP成長率が9%縮小すると予測。21年は6.4%、22年は2.3%のプラス成長を予想している。それでも、22年末時点のGDPは新型コロナ流行前を4%下回るとの結論だ。

中銀のドイツ連邦銀行は先に、今年のGDP(稼働日数調整済み)が7.1%縮小するとの見通しを示した。独政府や専門家予想のマイナス6~7%に足並みをそろえた格好だ。


関連国・地域: ドイツフランスEUベルギーイタリアオランダ
関連業種: 金融マクロ・統計・その他経済

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