イングランドで1日、10週間ぶりに一部の保育園と小学校の指定学年が再開した。児童らは社会的距離を保つ工夫が施された教室内で授業を受けることになる。イングランドでは併せて、この日から最大6人の屋外での集会が許可され、屋外市場や自動車のショールームも営業解禁となった。BBC電子版などが伝えた。
小学校では1年生(4~6歳)と6年生(10~11歳)の登校を許可。再開を決めた学校は机の配置変更や、手洗い推奨ポスターの掲示などの対応に追われ、児童が登校時に列に並んだ。一方、児童の感染リスクを懸念する学校は再開を遅らせているほか、保護者が登校させないケースもある。国立教育研究財団(NFER)の調査によると、保護者の46%は引き続き子供を自宅にとどめると回答。教員の25%は自身もしくは家族の健康上の理由で欠勤すると答えている。なお、医療・介護従事者を含めたキーワーカー(地域に必要不可欠な公共サービスの従事者)の子供は、休校期間中も登校していた。
屋外での集会許可については、テニスやサッカーなどのスポーツもできるようになったが、いずれも互いに2メートルの社会的距離を保つことが条件となる。他にも海水浴場や景勝地への車での移動、屋外庭園への入場、池や海での遊泳、ウインドサーフィンやカヌーなどの屋外水上スポーツが許可されている。また、感染による重症化リスクの高い人たちの外出も可能になった。一方で、規制違反者への罰金は60ポンドから100ポンドに引き上げられている。
スウェーデンの家具製造・販売大手イケアは、イングランドと北アイルランドの計19店舗で営業を再開。待ちわびた利用客が詰めかけ、開店前から長蛇の列ができた。ただ、店舗内の飲食スペースや子供の遊び場は引き続き閉鎖されている。ロイター通信によると、イングランドで再開した屋外市場の店舗では店員がマスクを着用し、商品に触れないよう注意喚起する張り紙が貼られた。
英政府は4月、封鎖解除の五つの条件として◇1日当たりの死者の減少◇NHSの対処能力◇感染ペースの減速◇検査体制や防護用品の完備◇感染第2波の回避――を挙げていた。第2段階への移行はこれら条件を満たしたため実施されるもので、15日からは衣料品店や家電量販店など全ての小売店舗の営業再開が認められる。
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