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独GDP、第1四半期は2.2%減 09年以来の下落幅で景気後退入り

ドイツ連邦統計庁は15日、2020年第1四半期(1~3月)の国内総生産(GDP、季節要因・稼働日数調整済み)が前期比2.2%縮小したと発表した。19年第4四半期のマイナス0.1%から2四半期連続でのマイナス成長となり、リセッション(景気後退)入りした。新型コロナウイルスのパンデミック(世界的流行)のあおりを受け、四半期ベースでは09年以降で最大の下落幅となった。

家計最終消費支出は前期から大きく縮小。一方、政府最終消費支出は安定しており、投資を示す総固定資本形成は機械・機器が大幅に減少したものの、建設はあまり変化がなかった。貿易は輸出と輸入が共に落ち込んでいる。

ドイツ経済は新型コロナウイルス危機前から、米中貿易摩擦などを背景に、既に停滞基調にあった。連邦統計庁は、強い不透明感を受けて、改定値が通常より大きく修正される可能性があるとしている。

■ユーロ圏GDP、第1四半期は3.8%縮小

欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットによると、20年第1四半期のユーロ圏19カ国の実質域内総生産(GDP、2次速報値)は前期比3.8%縮小した。1次速報値から変化がなく、19年第4四半期の0.1%増からマイナスに転落している。

国別に見ると、フランスの成長率はマイナス5.8%と、前期のマイナス0.1%から落ち込みが加速した。イタリアはマイナス4.7%と、第4四半期の0.3%減から下落幅が拡大。両国共に2四半期連続のマイナス成長となり、リセッションに入った。スペインは5.2%減、オランダは1.7%減と、いずれも前期からマイナスに転じている。ユーロ圏外では英国がマイナス2%と、第4四半期から2ポイント低下した。

ユーロ圏のGDPは、前年同期比では3.2%縮小。1次速報値から0.1ポイント上方修正された。EU27カ国全体では前期比で3.3%、年率では2.6%それぞれ落ち込んだ。

欧州委員会は先に発表した春季経済見通しの中で、今年のユーロ圏の実質GDPが前年比7.7%縮小し、史上最悪の落ち込みを記録するとの見通しを示した。前回2月時点の冬季予測では1.2%の伸びを予想していたが、新型コロナウイルスの感染拡大により圏内の全ての国でリセッションが予想されることから、これを大幅に下方修正した。

ユーロ圏の第1四半期GDPの改定値は、6月9日に発表される予定。


関連国・地域: ドイツEU
関連業種: マクロ・統計・その他経済

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