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欧州委、コロナ復興案を公表 感染拡大加盟国への財政支援が軸

欧州委員会のフォンデアライエン委員長は13日、欧州議会での演説で、新型コロナウイルス流行による経済危機からの復興計画案の概要を公表した。欧州連合(EU)加盟各国の経済回復に向けた財政支援に資金の大半を投じる方針で、特に感染拡大による打撃が大きく財政力に乏しい加盟国に重点的に拠出するとしている。具体的な金額は示されていない。欧州委は復興計画案の詳細を5月20日に公表する予定。

計画は3本の柱から成る。一つ目は、各国の経済復興に向けた公共投資や改革への支援で、資金の大部分がこれに投じられる。ユーロ圏だけでなく加盟27カ国すべてが支援対象となるが、打撃が大きく財政力の乏しい国に重点を置く。支援には補助も含まれる。支援は期間限定とし、復興初期の何年かに集中的に拠出する。

2本目の柱は、民間投資の支援で、中期投資計画「インベストEU」の強化や、医薬品など域内の自給自足が必要な戦略的分野への投資を促す「戦略的投資ファシリティー」の新設、新型コロナ危機で経営が悪化した有望企業の資本増強を支援する「ソルベンシー・インストルメント」の新設などが含まれる。

また3本目の柱として、新型コロナ危機に際して効果を発揮した災害危機管理制度「レスクEU(RescEU)」や研究助成プログラム「ホライズン」の強化、新たな医療プログラムの導入、域外諸国への支援なども予定されている。

財源については、EUの次期中期予算である2021~27年の「多年次財政枠組み(MFF)」から拠出するほか、EU加盟各国の保証により欧州委が市場で資金を調達する。

フォンデアライエン委員長は、新型コロナ危機への対応能力や財政力は加盟国によって大きく異なる上、真っ先に感染が拡大したイタリアやスペインは打撃も大きかったと指摘し「支援を最も必要とする国を助ける必要がある」と強調。また経済復興は、気候中立化とデジタル化を両輪として進めるべきとしている。

ロイター通信は先に、欧州委の内部文書を元に、同委が復興支援に向け総額2兆ユーロの資金を確保する方針と伝えている。[EU規制]


関連国・地域: EU
関連業種: 金融マクロ・統計・その他経済

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