ドイツの国立ロベルト・コッホ研究所は11日、1人の感染者が二次感染させる平均的な人数を示す基本再生産数が3日連続で1を上回ったと発表した。同国では4月末から新型コロナウイルスの封じ込め策が段階的に解除され、先には学校やほぼ全ての小売店の営業が再開。規制緩和が進む中、メルケル首相は感染の第2波を懸念し、社会的距離を順守するよう国民に訴えている。
コッホ研究所によると、基本再生産数は8日時点で0.83だったが、9日に1.1に上昇。翌日は1.13に上がり、11日には1.07とわずかに低下したものの、依然として1を上回っている。独政府やウイルス研究者はかねて、この数値を1以下に抑える重要性を強調している。
同研究所は「向こう数日は数値の変化を注視する必要がある」としている。
メルケル首相はこの結果を受け、ドイツは新型コロナウイルスに対する「新たなフェーズ」に入っているものの、国民はあらゆる緩和策において、基本的なルールを厳守する必要があると強調。社会的距離を保つとともに、鼻と口を覆い、互いに配慮するよう改めて訴えた。
■各地で規制反対のデモ
ドイツの主要都市では週末にかけて、封じ込め策に対する抗議デモが行われた。ベルリンやミュンヘンでは比較的穏やかだったが、他の都市では一部が暴徒化し、警察隊と衝突する場面も見受けられた。
大規模集会と同様、多くの人が集結するデモは、感染のホットスポットとなる恐れが強く、流行の第2波が懸念されている。
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