英国のジョンソン首相は10日、新型コロナウイルスの感染拡大を防ぐために導入している外出規制を一部緩和すると発表した。条件付きで一部業種の通勤を認めるほか、娯楽目的で屋外に出ることを許可する。また、6月以降の段階的な規制緩和のスケジュールも明らかにした。
イングランドでは11日から建設業や製造業など在宅勤務ができない人を対象に、公共交通機関を利用しない形での通勤が認められる。さらに13日からは、周囲の人と2メートルの距離を保つことを条件に、娯楽目的で屋外に出ることが可能となり、1日1回だった運動が無制限になるほか、公園で芝生に座ることや車で外出することも認められる。
その後の段階として、人々が規制を順守し、新型コロナウイルスの封じ込め策が順調に進むことを前提に、早ければ6月1日から小学校などを再開する計画も明らかにした。さらに、7月からは飲食店などホスピタリティー産業や公共施設の一部を再開する可能性にも言及した。
同首相はこれに伴い、感染対策の国民向けスローガンを「ステイ・アット・ホーム(家にいよう)」から「ステイ・アラート(常に警戒)」へと変更。「誰もが常に警戒すれば、感染を制御できる」と強調し、国民には今後もできる限り自宅にとどまり、在宅勤務を行うよう呼び掛けた。他人との接触を制限し、外出時にはできるだけ他人と2メートルの距離を保つこと、頻繁に手を洗い、自分や同居人に症状が出れば自主隔離を行うことも引き続き要請している。
英政府はこうした規制措置の段階的緩和の目安として、イングランドの新型コロナウイルス感染リスクを5段階で示す警戒システムを立ち上げる。新警戒システムは、新設の「ジョイント・バイオセキュリティー・センター」が管理し、全国各地の感染状況のデータに基づき、リスクをレベル1の緑からレベル5の赤までの5段階で示す。地域ごとにレベルが異なる可能性もあり、イングランド全体の制限措置が各地のレベルごとに調整される。
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