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4月は統計開始以降で最低 ユーロ圏製造業PMI確定値

金融情報サービス会社IHSマークイットは4日、4月のユーロ圏製造業PMI(購買担当者景気指数、確定値)が33.4ポイントになったと発表した。速報値から0.2ポイント下方修正され、前月からは大きく11.1ポイント低下。1997年6月の統計開始以降で最低に沈んだ。

調査対象国のうち、イタリアは31.1ポイント、オーストリアは31.6ポイント、ギリシャは29.5ポイントと、いずれも過去最低に落ち込んだ。スペインは30.8ポイントに下落し、過去11年超で最も低い。オランダは過去11年弱で最低の41.3ポイントに落ち込み、景気の「改善」と「悪化」の境目である50ポイントを下回った。

ユーロ圏経済をけん引するドイツは34.5ポイント。速報値から0.1ポイント上方修正されたものの、3月からは大きく10.9ポイント下がっている。新規受注は、イタリアやフランスなどからの需要減退を背景に輸出向けが大きく減少し、全体としては金融危機の影響を受けた2008年後半よりも縮小ペースが加速した。生産高は、投資財と中間財の不調が響き、落ち込み幅が過去最大となった。雇用の減少ペースは、2009年5月以降で最も速い。

フランスは31.5ポイントと、速報値から変化はなかった。前月からは11.7ポイント低下し、1998年の統計開始以降で最低を記録した。新規受注は、輸出向けが過去最低水準に落ち込み、全体の下落幅も過去最大となった。新型コロナウイルスの感染拡大防止措置に伴う工場閉鎖などが響き、生産高の縮小ペースも統計開始以降で最も加速。雇用の減少幅も過去最大となった。

ユーロ圏製造業PMIのサブ指数を見ると、各国の新型コロナウイルス対策を受け、生産高と新規受注が共に統計開始以降で最大の落ち込み幅を記録。雇用は12カ月連続で減り、縮小ペースは2009年4月以降で最も大きい。仕入れ価格は、原油と関連商品の値下がりにより大きく低下。出荷価格の下落幅は過去最大となった。今後の見通しは過去10年半の調査で最低水準まで落ち込んでいる。

IHSマークイットのクリス・ウィリアムソン首席ビジネス・エコノミストは今回の結果について、新型コロナウイルスの影響による大幅な工場閉鎖措置と需要低減、供給不足を反映しているとコメント。感染拡大ペースの落ち着きや段階的な規制解除の動きを受け、落ち込みは徐々に緩和され始めるとしつつも、回復には時間がかかると指摘した。店舗の閉鎖措置などによる家計の支出低下に加え、企業の仕入れや設備投資の低迷もしばらく続くと分析している。


関連国・地域: EU
関連業種: マクロ・統計・その他経済

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