欧州各国が新型コロナウイルスの封じ込め策による渡航制限などを実施するのに伴い、各地の空港で利用者数が激減している。空港運営各社からは「かつてないほどの危機」と、悲鳴の声が上がっている。
欧州最大規模を誇るロンドン・ヒースロー空港を運営するヒースローは1日、第1四半期(1~3月)の利用者数が1,460万人となり、前年同期比18.3%減少したと発表。4月は約97%落ち込むと予想する。同社のジョン・ホランドケイ最高経営責任者(CEO)は、英国の航空業界は政府からの支援がないままでは崩壊すると警告している。
ドイツの空港運営大手フラポートによると、4月20~26日のフランクフルト空港の利用者数は前年同期比96.8%減の4万5,270人。航空機の発着回数は1,605回と84%落ち込んだ。3月の利用者数は212万4,005人となり、前年同月比62%減っている。
パリ空港公団(ADP)によると、3月のシャルルドゴール空港の利用者数は250万1,016人と、前年同月比58.5%のマイナス。オルリー空港は110万2,797人で、58.7%減少した。ADPは新型コロナウイルスによる影響は5月まで続くとし、6月から徐々に回復するとの見方を示している。
スペインの空港・航空管制公団(AENA)は先に、4月の国内空港の利用者数が95%以上縮小したと発表。3月の59.3%減から落ち込みが大きく加速した。同社は、いつ回復するかは見通せないとしている。
イタリアの空港公団Assaeroportiは4月30日、3月の同国の空港利用者数が前年同月比85%減のおよそ200万人になったと明らかにした。「航空業界は未曾有の事態に直面している」と警告している。
オランダ・アムステルダムのスキポール空港によると、3月の利用者数は247万6,512人となり、前年同月から56.1%減少した。内訳を見ると、欧州域内は58.4%減の164万1,935人。域外は83万4,437人で、50.4%減っている。
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