欧州委員会は3月30日、新型コロナウイルス対策として欧州連合(EU)域外とシェンゲン圏外から域内・圏内への不要不急の入国を禁止する措置について、実施のためのガイダンスを公表した。この措置は既にEU加盟各国が合意しているが、26日に開いたテレビ首脳会議(サミット)で各国は、明確な基準などを示すよう欧州委に求めていた。
このガイダンスでは、域外国からの入国を禁止するものの、域外から帰還するEU市民やその家族、EU域内の長期在住者には適用されないことを明示。また外交官や医療関係者、国境を越えて通勤する人、物資輸送従事者、農業季節労働者なども免除される。また入国を認める旅行者に対して、各国の国境管理当局はシェンゲン協定加盟国の出入国規定を厳格に適用すること、国境管理のリソースが限られる場合は出国管理よりも入国管理を優先することなどを示している。
なお欧州委は併せて、EU域内の労働者の移動に関するガイダンスも公表した。各国が新型コロナウイルス対策として国境管理を導入することに理解を示しながらも、一部の労働者には域内での自由な移動を保証するよう求めている。対象となる労働者として、医療関係者、保育や高齢者介護の従事者、医療関連分野の科学者、医療機器の設置に必要な人員、消防士と警察官、輸送分野の労働者、食品分野の労働者などを挙げている。[EU規制]
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