欧州連合(EU)の一部加盟国が新型コロナウイルス対策として国境封鎖に踏み切る中、欧州委員会は3月30日、域内で国境を越えた移動を許されるべき必須業務のリストを公表した。医療従事者や必要物資の運送業者、農作物の収穫に携わる季節労働者などが含まれている。
リストにはこのほか、保育・介護サービス、医薬品や医療機器の運送・設置、情報通信技術(ICT)、電気・ガス・水道サービス、警察官や救急・消防隊員、食品加工、交通機関の運転手やパイロット、漁業、国際機関の必須業務などが含まれている。
欧州委は「これらの業務の従事者が円滑に目的地に到着できるようにする必要がある」としている。
欧州委は併せて、EU域外から加盟各国への入国を認められるべき必須業務のリストも示した。こちらも、EU市民および域内在住者や医療関係者、外交官らに加え、運送業者や農業の季節労働者が含まれている。EUは先にEU域外およびシェンゲン圏外との不要不急の往来を禁止する措置で合意したが、これらの業務の従事者は例外となる。
欧州では、域内外各国の渡航制限を背景に、季節労働者の不足による野菜や果物の不足が懸念されている。ドイツの食品業界は年間約28万6,000人の季節労働者に依存しているほか、フランスでは収穫期に20万人の人手が不足すると試算されている。[EU規制][労務]
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