米国が新型コロナウイルスの感染拡大対策として欧州からの入国禁止を打ち出したことを受け、欧州の航空業界団体エアラインズ・フォー・ヨーロッパ(A4E)は12日、欧州連合(EU)および各国政府に緊急支援措置を要請した。格安航空大手ノルウェー・エアシャトル(NAS)はこの日、大規模なレイオフ(一時解雇)を実施する方針を明らかにしている。
A4Eは、米国の渡航制限に加え、欧州全域で予約取り消しが増えていると指摘。欧州委員会に対し、航空発着枠規制の停止延長を要請した。同委は先に、不使用の発着枠を没収する規則の一時免除を決めたが、これを夏の終わりまで延長するよう求めている。また、EUおよび加盟国レベルでの航空税の猶予や、新型コロナウイルスに絡む航空会社の旅客に対する補償責任の制限などを求めている。
同団体のマネージング・ディレクター、トマス・レイナート氏は、「この危機が航空業界に及ぼす打撃を緩和する措置が緊急に必要」とした上で、「EU域外諸国の政府が国内航空産業向けに支援を行うことにより、EUの航空業界が競争上、不利にならないことも重要だ」としている。
■NASは3,000便を欠航へ
NASはこの日、6月中旬までに約3,000便をキャンセルすると発表した。これは、同社の航空便の約15%に当たる。これに伴い、従業員のかなりの割合のレイオフも必要になるとしている。
NASは、アイルランドのライアンエアーおよび英イージージェットに次いで欧州3位の格安航空会社。大西洋航路への参入で事業を急速に拡大してきたが、かねて資金不足に陥っている。[労務][EU規制]
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