欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットは21日、1月のユーロ圏19カ国の消費者物価指数(CPI、改定値)が前年同月比1.4%上昇したと発表した。速報値から変化はなく、伸びは2019年12月から0.1ポイント加速したものの、依然として欧州中央銀行(ECB)が定める2%のインフレ目標を下回っている。
1月は食品・アルコール飲料・たばこが2.1%値上がりし、前月の2%から伸びがわずかに加速した。エネルギーは1.9%、サービスは1.5%それぞれ拡大している。エネルギーを除く工業製品は0.3%上昇した。
ユーロ圏19カ国のうちインフレ率が最も高かったのはスロバキア(3.2%)で、これにリトアニア(3%)、ルクセンブルク(2.5%)が続いた。ユーロ圏最大の経済規模を誇るドイツは1.6%だった。最も低いのはイタリアで0.4%となっている。
消費者物価指数はEU28カ国全体では1.7%上昇し、前月からこちらも0.1ポイント加速。前月比で見ると、ユーロ圏は1%、EUは0.7%それぞれ落ち込んでいる。
欧州中央銀行(ECB)は1月の政策理事会で、ユーロ圏の市場介入金利(最重要の政策金利)を過去最低のゼロ%に、中銀預入金利をこちらもマイナス0.5%にそれぞれ据え置くことを決定。量的緩和策を続けているにもかかわらずインフレ目標を達成できていないことから、16年ぶりに金融政策戦略を見直すとしている。
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