欧州連合(EU)の統計局ユーロスタットは14日、2019年第4四半期(10~12月)のユーロ圏19カ国の実質域内総生産(GDP、2次速報値)が前期比0.1%増加したと発表した。1次速報値から変化がなく、伸びは第3四半期の0.3%から減速。圏内最大の経済規模を誇るドイツは、家計・政府最終消費支出の落ち込みが響き、ゼロ成長に減速した。
国別の成長率を見ると、ドイツは第3四半期のプラス0.2%からゼロ%に減速。家計最終消費支出と政府最終消費支出は共に前期から大きく縮小。投資を示す総固定資本形成は、機械・機器で減少したものの、建設では増加した。貿易は、輸出がやや落ち込んだ一方、輸入は伸びている。
フランスの成長率はマイナス0.1%と、前期のプラス0.3%からマイナスに転じた。イタリアはマイナス0.3%と、第3四半期の0.1%増からこちらもマイナスに沈んだ。スペインの成長率は0.5%と、伸びは前期から0.1ポイント拡大。オランダは0.4%で横ばいだった。ユーロ圏外では英国がゼロ%と、第3四半期から0.5ポイント低下した。
ユーロ圏のGDPは、前年同期比では0.9%拡大。1次速報値から0.1ポイント下方修正された。EU28カ国全体では前期比で0.1%、年率では1.1%それぞれ伸びている。
欧州委員会は先に発表した冬季経済見通しの中で、今年のユーロ圏の実質GDPが前年比1.2%拡大するとの見方を示した。昨年11月時点の秋季予測から据え置いた。米中貿易摩擦の懸念は後退したものの、新型コロナウイルスによる肺炎(COVID19)の流行拡大が中国との貿易だけでなく世界経済に与える可能性を注視している。
ユーロ圏の第4四半期GDPの改定値は3月10日に発表される予定。
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