日産自動車の自動運転車が、英国で全長370キロメートルの公道を走破した。同国で行われた公道での自動運転試験としては、最も長距離で複雑だという。同社が率いる自動運転技術プロジェクト「ヒューマンドライブ」が5日、発表した。
試験車両は、日産の電気自動車(EV)「リーフ」に、衛星利用測位システム(GPS)やレーダー、リモートセンサー技術ライダー(LiDAR)、距離測定器などの自動運転技術を搭載したもの。イングランド中部クランフィールド(Cranfield)にある日産のテクニカルセンターから、同北東部サンダーランド工場までを、一般車両に混じって走行した。走行ルートには、道路の分岐点や環状交差点、高速道路のほか、車線が明確に示されていない道路もあった。
同プロジェクトを統括する日産テクニカルセンターのボブ・ベイトマン氏は「このプロジェクトにより、複雑な環状交差点や車線表示がないにもかかわらず制限速度の高い田舎の道路など、英国特有の難問を克服する自動運転車が開発できた」と話している。「ヒューマンドライブ」は、政府の補助を受けた官民共同出資プロジェクトで、日産のほか仏自動車大手ルノー、三菱自動車、クランフィールド大学、イングランドの高速道路を管理するハイウエー・イングランドなどが参加する。
英政府は、2035年までに自動運転車の世界市場が9,000億ポンドに拡大するとみており、自動運転車の開発企業の誘致に取り組んでいる。[日本企業の動向]
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