欧州航空・防衛最大手エアバスは28日、贈賄・汚職の疑いによる捜査を巡り、英米仏3カ国の当局と原則、和解に達したと発表した。詳細は明らかにされていないが、フィナンシャル・タイムズは同社が総額30億ユーロ超の制裁金を支払う可能性があると報じている。
同社は声明で「英重大不正捜査局(SFO)と仏金融検察局(PNF)、米国の複数の当局と原則として合意に達した」と発表。「合意は、贈賄・汚職の疑いと米国の武器国際取引に関する規則(ITAR)の順守に関する捜査を巡るもので、英仏の裁判所と米国の裁判所および規制当局の承認を得る必要がある」と説明した。「法的な理由により、捜査当局との協議の詳細についてはコメントできない」としている。
フィナンシャル・タイムズは先に、エアバスが贈賄・汚職捜査を巡り英米仏の当局と近く和解すると伝えていた。同社の発表はこの報道を認めた格好となる。同紙によると、SFOとの合意は、エアバスが不正を認め、制裁金の支払いと是正措置を受け入れることを条件に、起訴を免れる内容とみられる。
エアバスは2016年、一部の航空機契約で用いている外部の独立コンサルタントを巡り、公表された情報が事実と異なっていたと明らかにした。これを受け、SFOは同年8月、同社の民間機部門に対し詐欺・贈賄・汚職の疑いで捜査を開始したと発表。2017年にはPNFも捜査に着手していた。加えて同社は2017年、機器の輸出を巡り米国のITARに違反した可能性があることも明らかにし、2018年には米司法省が捜査に乗り出していた。
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