イタリア北東部エミリア・ロマーニャ州で26日、州知事選挙の投開票があり、中道左派・民主党に所属する現職ステファノ・ボナッチーニ知事が得票率51.4%で当選した。右派政党「同盟」のサルビーニ党首は、この選挙で勝利し民主党と反既存勢力政党「五つ星運動」の連立政権に揺さぶりを掛ける狙いだったが、思惑が外れた。
今回の民主党の勝利は、サルビーニ党首に抗議するデモ「イワシ運動」の影響が大きいとみられている。この運動は昨年11月、エミリア・ロマーニャ州の州都ボローニャで始まり、若者を中心にイタリア全土に拡大。これまでに数万人が参加している。民主党のジンガレッティ書記長(党首)は開票後にツイッターで、デモ参加者に対し「ありがとう」と投稿している。
同盟のルチア・ボルゴンゾーニ候補は得票率43.6%。サルビーニ党首は今回の選挙を連立政権に対する国民投票と位置付け、同盟が勝利した場合は総選挙を実施すべきと訴えていた。
エミリア・ロマーニャ州は伝統的に左派政党の地盤。今回は郊外と農村部で右派が支持を伸ばしたものの、都市部では引き続き左派が優勢だった。同盟は今回の敗北により、この後に控える左派政党の牙城である中部トスカーナ州や南部プーリア州の選挙での勝利が難しくなった格好。
民主党と連立を組む五つ星運動の候補者の得票率はわずか3.5%にとどまった。この結果を受けて、連立政権内で民主党が今後の政策を巡り発言権拡大を求める可能性が高い。
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