欧州航空・防衛最大手エアバスは17日、防衛・宇宙部門の事業再編に向け従業員代表との協議を開始したと発表した。コスト構造を見直し、長期的競争力を高めるためとしている。
同部門のダーク・ホーク最高経営責任者(CEO)は、「基本的な事業見通しは、特に中核事業では引き続き堅調」とした上で、「ここ3年は予期せぬ逆風に見舞われて受注やEBIT(利払い・税引き前利益)、業績全般が影響を受け、継続的な改善努力によってもそれを補うことができなかった」と説明している。
ウォール・ストリート・ジャーナルによると、同部門は過去5年にわたり拠点閉鎖や小規模な人員整理、事業売却などを通じて業績改善に努めてきたほか、最近では事業の簡素化によるコスト削減計画を進めていた。同部門の従業員数は約3万4,000人。エアバスは従業員側との協議を経て、再編計画の詳細を公表する見通し。
防衛関連情報を手掛ける英ジェーンズ・インフォメーション・グループによると、エアバスの防衛・宇宙部門はここ3年連続で受注が減り続けている。ホークCEOはその原因として、通信衛星の需要減退や防衛機器の発注判断の遅れ、ドイツのサウジアラビアへの武器輸出禁止などを挙げている。加えて、納入が遅れている軍用輸送機「A400M」の問題も業績を圧迫しているという。[労務]
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