フランスで6日、年金改革に反対する過去20年超で最大規模のストライキが2日目に突入した。一部の労働組合はストを停止したものの、公共交通機関の従業員らを中心にストは続いており、フランス国鉄(SNCF)やパリ地下鉄はこの日も多数の便を運休。通勤者は車での移動を余儀なくされ、パリとその周辺では渋滞が350キロメートル超に及んだ。また一部の労組は、10日に再び大規模なストとデモを実施するよう呼び掛けている。BBC電子版などが伝えた。
SNCFは6日、初日に続き高速鉄道TGVなどの9割を運休。パリ地下鉄は少なくとも9路線を閉鎖した。同地下鉄やバスなどを運営するパリ交通公団(RATP)は、最短でも9日までストを続けると表明している。国際高速鉄道ユーロスターも10日まで一部の便を休止。影響は空の便にも及び、6日には国内発着便の約2割がキャンセルとなった。
今回の大規模ストを引き起こした年金改革はマクロン政権の重要政策の一つで、業種ごとに異なる42の年金制度を廃止して一本化するもの。早期退職の権利喪失や年金受給額の減額といった不利益を被る業種の労組が強く反発している。初日の5日には、教師や警察官、空港や病院の職員ら幅広い業種の従業員およそ80万人がストに参加。各地のデモで警察との衝突も報告されている。
ザ・ローカルによると、マクロン大統領はストを受けてもなお年金改革への信念を曲げる様子はみられないという。一方で、ビュザン保健相やブランケール国民教育相は、労組との話し合いの場を設けたと報じられている。[労務]
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