欧州議会と欧州連合(EU)加盟28カ国は18日、2020年度のEU予算案で暫定的に合意した。歳出規模は支払いベースで1,536億ユーロと、2019年度から3.4%増加している。EU経済の成長や競争力の強化に重点を置くほか、欧州議会の要望により気候変動対策や青少年向けの支出が当初案より増やされている。
歳出は、契約ベースでは1,687億ユーロと今年度から1.5%拡大。このうち最も大きな部分を占めるのは農家向けの支出で、581億2,000万ユーロとなっている。加盟国間の経済・社会格差の解消には、今年度より2.5%多い586億4,600万ユーロを振り向けた。
経済成長・雇用政策の予算は253億ユーロと、7.9%増加している。うち研究開発(R&D)支援プログラム「ホライズン2020」の予算は134億9,000万ユーロと、8.8%増加。EUの人材育成・交流プログラム「エラスムス計画」の予算は3.6%増え28億9,000万ユーロとなっている。
治安維持・移民対策では、難民・移民・統合基金に9億4,900万ユーロを振り向けるほか、域内安全保障に5億100万ユーロを充てる。一方、トルコで人権問題の悪化や大統領の強権化が進んでいることを受け、同国に対するEU加盟候補国向けの補助は今年度に続き減額とし、8,500万ユーロ減らしている。今回の予算は、英国が2020年度を通じてEU予算への資金を拠出し、EU予算に基づく支出を実行するとの前提に基づいている。
予算案は、EU閣僚理事会での承認と、欧州議会の予算委員会および本会議での可決を経て成立する見通し。[EU規制]
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