金融情報サービス会社IHSマークイットは24日、10月のユーロ圏総合PMI(購買担当者景気指数、速報値)が50.2ポイントとなったと発表した。過去6年超で最低を記録した前月からわずかに0.1ポイント上昇。景気の「改善」と「悪化」の境目である50ポイントは76カ月連続で超えたものの、市場予想を下回った。
ユーロ圏の製造業PMIは45.7ポイントと、2012年10月以降で最も低い水準だった9月から横ばい。新規受注は大幅に落ち込んだ。生産高は9カ月連続で減り、減少ペースも前月からやや加速した。仕入れ価格の下落幅は過去43カ月で最も大きく、出荷価格もわずかに低下した。
製造業PMIの国別データを見ると、ドイツは41.9ポイント。前月から0.2ポイント上がったものの、依然として分岐点を下回っている。フランスは0.4ポイント上昇して50.5ポイントだった。
ユーロ圏総合指数のうち、生産高の伸びはやや加速。新規受注は2カ月連続で落ち込み、2013年半ば以降で最低の部類に入る過去数カ月の傾向を維持した。雇用ペースは2014年12月以降で最も減速。仕入れ価格は堅調に伸びたが、出荷価格は上昇幅がわずかにとどまった。
■サービス業は独が不振
ユーロ圏のサービス業PMIは51.8ポイントと、前月から0.2ポイント上がった。国別ではドイツが51.2ポイントと0.2ポイント下げ、過去37カ月で最低を記録した。一方、フランスは9月から1.8ポイント上昇し、52.9ポイントだった。
IHSマークイットのクリス・ウィリアムソン首席ビジネス・エコノミストは今回の結果について、製造業の不振は2012年以降で最悪の水準にとどまり、これに影響を受けたサービス業は新規受注の伸びが過去5年近くで最小となったと指摘。第4四半期(10~12月)の域内総生産(GDP)成長率は0.1%を下回るとの予想を示している。
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