南アフリカのインターネットサービス・娯楽大手ナスパーズ(Naspers)傘下の蘭投資会社プロサス(Prosus)は22日、テイクアウト注文サイト欧州最大手の英ジャスト・イート(Just Eat)に買収案を提示した。ジャスト・イートは7月にオランダ同業テイクアウェー・ドットコム(Takeaway.com)と経営統合を決めており、プロサスはこれに横やりを入れた格好。
プロサスはジャスト・イート株1株につき710ペンスを現金で支払う。これはジャスト・イート株の21日終値に20%のプレミアムを上乗せした水準。これに対してテイクアウェー・ドットコムとの条件は、ジャスト・イート株1株当たりテイクアウェー・ドットコムの0.09744株を割り当てるもの。取引の発表時点では1株につき731ペンス相当だったが、テイクアウェー・ドットコムの株価が下落しているため、21日終値で594ペンス相当まで低下している。
プロサスはジャスト・イートに買収を打診していたが拒否されたため、買収額を引き上げた上で今回の発表に踏み切った。買収すればジャスト・イート独自の配達事業を拡大するため、大幅な投資を行うと説明している。ジャスト・イートは、当初は自社で配達を手掛けていなかったが、米配車大手ウーバーによる「ウーバーイーツ(UberEats)」や英デリバルー(Deliveroo)に対抗するため配達事業にも手を広げている。
対抗買収案に対してジャスト・イートは、プロサスの当初の提案は1株当たり670~700ペンスと同社の価値を低く見積もっていたため、既に買収案を拒否したと説明。テイクアウェー・ドットコムとの合併を進めることに変わりはないとしている。
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