ロンドン証券取引所(LSE)グループは13日、香港取引所(HKEX)による買収提案を拒否すると発表した。HKEXは先に、LSEの全株式を296億ポンドで取得する提案を行っていた。
LSEの取締役会は、HKEXの買収提案の実現可能性や戦略など主要項目について根本的な懸念を抱き、全会一致で拒否することを決定。また、香港の現在の状況が先行き不透明感に拍車を掛けているとした上で、HKEXの中国への「戦略的ゲートウェイ」としての地位の持続可能性を疑問視しているとした。こうしたことから、今後さらなる協議を続ける価値は見当たらないと一蹴している。
HKEXは11日、LSEの株式1株につき20.45ポンドを現金で支払うほか、HKEXの新株2.495株を割り当てる内容の買収提案を行った。これはLSEの前日終値に23%のプレミアムを上乗せした水準で、1株当たり83.61ポンドに相当する。ただ、HKEXは買収の条件として、LSEが進めている英米金融情報サービス会社リフィニティブ(Refinitiv)の買収計画を取りやめることを挙げていた。
LSEはこの日、リフィニティブの買収計画について、予定通り進める方針を改めて示した。LSEは8月、リフィニティブを約270億ドルで買収することで合意し、来年後半の取引完了を目指している。[M&A]
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