独製薬・化学大手バイエルは30日、第2四半期(4~6月)の純利益が4億400万ユーロとなり、前年同期比49.1%減少したと発表した。フットケアブランドの売却や事業再編などに伴い8億5,900万ユーロの特別損失を計上したことが響いた。昨年買収した米農業化学大手モンサントの除草剤「ラウンドアップ」の発がん性を巡る米国での訴訟件数は、これまでに1万8,400件に達している。
売上高は21.1%増の114億8,500万ユーロ。うちファーマシューティカルズ部門は4.9%増加した。抗血液凝固剤「ザレルト(Xarelto、一般名:リバロキサバン)」や眼病治療薬「アイリーア(Eylea、一般名:アフリベルセプト)」など主要製品が引き続き力強く伸びたものの、一部製品が米国での市場競争にさらされた。農業化学のクロップサイエンス部門は59%拡大。コンシューマーヘルス部門は2.1%伸び、アニマルヘルス部門も0.2%増を確保した。
グループのEBITDA(利払い・税引き・償却前利益、特別損益除く)は24.7%増加し、29億2,700万ユーロだった。
バイエルは通年について、売上高が460億ユーロに拡大し、特別損益を除いたEBITDAは122億ユーロになるとの見通しを維持。ただ、アニマルヘルス事業からの撤退計画や、フットケアブランド「ドクター・ショール(Dr. Scholl)」の売却などにより変動する可能性もあるという。
同社は併せて、モンサントの除草剤を巡る米国での訴訟件数が1万8,400件と、過去3カ月で約5,000件増えたことを明らかにした。引き続き法廷で争う構えを見せる一方、米カリフォルニア州の地方裁判所に命じられた調停手続きにも建設的に参加するとしている。
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