独高級車大手BMWは18日開いた監査役会で、オリバー・ツィプセ生産担当取締役(55)を次期最高経営責任者(CEO)に指名すると発表した。8月16日付で就任する予定で、ハラルド・クルーガーCEOはその前日にCEO職と取締役を退任する。
ノルベルト・ライトホーファー監査役会会長はツィプセ氏について「決断力があり戦略的で分析に長けているリーダー」と評価。BMWグループに未来のモビリティーを形成する新たな勢いをもたらすと期待感を示した。
ツィプセ氏は1991年に研修生としてBMWに入社。英オックスフォード工場の工場長、生産技術企画本部長、企業企画・製品戦略部門の本部長などを経て、2015年に現職に就任した。同職ではハンガリーや中国、米国で効率的な生産ネットワークを築き、同社が比較的小規模な生産にもかかわらず業界トップの利益率を達成する一助となった。
クルーガーCEOは先に、来年4月に期限を迎える現行契約を更新しない考えを明らかにしていた。ライトホーファー監査役会会長は今回、クルーガー氏の決断を尊重するとコメントした。
BMWは6月、プラグイン・ハイブリッド車(PHV)やバッテリー式電気自動車(EV)などの電動モデルを2025年までに25車種投入する計画を、2年前倒しで進めると発表。また、2021年の電動車両販売台数を2019年比で2倍に拡大する目標を掲げている。
ツィプセ氏がCEOとして取り組むべき課題には、減少が続く利益の回復や、次世代車両の開発における競合への巻き返しがある。また、世界的な貿易摩擦や、EVと自動運転車両の膨大な投資コストへの対応も求められる。[労務]
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