独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)と米フォード・モーターは12日、自動運転車と電気自動車(EV)の分野に提携を拡大することで合意したと発表した。新技術の開発コストを引き下げる狙い。フォードの出資する自動運転ベンチャー、アルゴ(Argo)AIにVWが26億ドルを投資する一方、フォードは自社のEVにVWのEV用モジュラープラットフォーム「MEB」を採用する。
両社は1月、包括的な戦略的提携を締結し、まずは商用車で協業を開始。併せて、EVや自動運転車、モビリティーサービスでも協力の可能性を模索する覚書(MOU)を結び、協議を行ってきた。当初はVWがアルゴAIへの投資を渋るなど、交渉が難航したものの、先には大筋で合意したと報じられていた。
VWは今回、アルゴAIに10億ドルを出資するとともに、傘下の高級車アウディの自動運転車部門で16億ドル相当の事業価値を持つオートノマス・インテリジェント・ドライビング(AID)をアルゴAIに統合することを決めた。一連の取引は、アルゴAIの企業価値を70億ドルと評価した格好。VWとフォードは最終的に同社に折半出資することになる。両社はそれぞれ、自社の車両にアルゴAIの技術を採用する。
一方、フォードはVWの「MEB」を利用して欧州市場向けの完全電動車を開発する。「MEB」を他社が採用するのはフォードが初となる。2023年以降に大量生産に着手し、その後6年で欧州において60万台以上を生産する計画で、2番目のモデルの開発についても既に協議が行われているという。
1月に結んだ提携では、2022年以降にそれぞれのブランドでグローバル市場向けの中型ピックアップトラックおよび商用バンを発売する計画を打ち出していた。両社は今回、この計画も順調に進んでいると明らかにしている。
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